北朝鮮は「巨大な監獄」 国連の特別報告者
【ニューヨーク=松尾理也】ロイター通信によると、国連のムンタボーン北朝鮮人権問題担当特別報告者は15日、ジュネーブの国連人権理事会に対し、少数の特権階級によって北朝鮮は「恐怖国家、あるいはひとつの巨大な監獄と化している」などと厳しく指摘する報告を行った。同氏は今回の報告を最後に6年間の任期を終え、6月末に退任する予定。
報告でムンタボーン氏は「軍事優先を掲げる北朝鮮政府は、一般国民の犠牲の上に、体制の永続をもくろんでいる」と指弾。北朝鮮に対し、すみやかに平等な食糧配給の復活や処刑、拷問の停止などを求めた。
報告後の会見では、「実際のところ、ここ数年で北朝鮮の人権状況はさらに悪化している」と指摘。国際社会を代表し、国連安全保障理事会が何らかの措置を取るべき時期が来ていると強調した。
同氏はまた、核問題をめぐる国連安保理制裁について、「体制上層部のみを対象とするよう注意が払われており、一般国民にとっての人権問題を悪化させていることはない」と評価した。日本人拉致問題の早期解決も求めた。