脳血管障害で手術を受け、現在は快方に向かっているとされる金正日(キム・ジョンイル)総書記の3人の息子、正男(ジョンナム)氏(37)、正哲(ジョンチョル)氏(27)、正雲(ジョンウン)氏(25)がそろって平壌に滞在していることが11日に確認された。韓国政府の消息筋はこの日、「マカオや中国などに滞在していた正男氏は7月ごろにすでに帰国し、平壌に滞在している。金総書記の3人の息子が長期間にわたって同時に平壌に滞在するのは非常に異例のことだ」と述べた。金正男氏は2001年に偽造パスポートで日本に入国しようとして追放されて以来、金総書記の近くにとどまることができず、帰国もできないまま海外で生活してきたという。
3人が同時に平壌に滞在していることに関心が集まる理由は、金総書記が死亡した場合の「3代世襲」問題と関連があるからだ。金総書記の健康異常をきっかけとして、北朝鮮内部で後継者問題が秘密裏に話し合われ始め、そのために3人の息子全員が平壌にとどまって事態の流れを見守っているのではないか、などの見方が浮上しているのだ。
この問題について専門家の間では、「北朝鮮の党・政府・軍のエリートたちは“金正日総書記以降”の権力闘争が起これば全体が倒れる可能性があるという認識があることから、金総書記の息子の中の一人を担ぎ上げて既得権を維持しようとするだろう」という見方が有力だ。金総書記も最近まで後継者問題を口にすることを禁じていたが、病の床にあっては考えも変わるだろうという見方も可能だ。
また、金正男氏は叔父の張成沢(チャン・ソンテク)労働党組織指導部第1副部長(62)や叔母の金敬姫(キム・ギョンヒ)党軽工業部長(62)らと近いという。金正男氏は昨年から北朝鮮の党・政府・軍のすべてを統括する党組織指導部に勤務しているという情報もある。治安政策研究所の柳同烈(ユ・ドンリョル)研究官は「現在は事実上北朝鮮のナンバー2である張成沢氏の支援を受ける正男氏が、まだ20代で若い正哲氏や正雲氏よりも有利な立場にあるだろう」と述べた。
安勇炫(アン・ヨンヒョン)記者
【ニュース特集】金総書記重病説
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